酵素と酵母って何が違うのという質問を受けます
最近よくこんな質問を受けます。
「酵母と酵素って何が違うの?」
酵母は菌さんだし酵素は化学反応を促進するタンパク質なのでカテゴリーが違うのですが、どうやらこの質問の意図は健康食品としての酵母と酵素の違いを尋ねているようですね。
そういう意味ではどちらも植物を発酵させて作るので、その植物が持っている様々な栄養素を効率よく摂れるし、発酵の過程で生まれたビダミンを摂取できます。どんな栄養素があるかは使っている植物によって違うので一概になにが良いとは言えません。ただ、酵素の方が使う植物の種類が多いのでその分様々な栄養素がとれるでしょう。
市販の酵母を使った栄養食品の代表選手ビール酵母はビールのもとになる大麦の汁を発酵させる過程でいろいろなビタミンを作り、金属を溜め込むんですね。市販品なのでインターネットが簡単に成分表なんかも入手できますよ。参考にしてみてください。
酵母錠剤も酵素ドリンクも菌さんが豊富なのでお腹の乳酸菌さんの餌になります。その点はどちらもOKです。
酵母錠剤にするか、酵素ドリンクを飲むかは好みでどうぞですね。ビール酵母は自作するのは難しいですが、ビール酵母でなければ比較的簡単に酵母も培養できます。干しブドウやリンゴなんかを水につけて時々かき回しておけばその植物固有の酵母が培養されます。手作り酵母でパンを焼くと美味しいと言いますよね。
酵素も材料さえ集められたら簡単に作れます。
因みに、酵素を手作りすると酵母も少し培養されます。酵母の餌は糖分です。酵素作りでは植物をグラニュー糖に漬けるので、果物を入れるとその表面にいた酵母さんも喜びます。酵素作りでもかすかにアルコール臭がして酵母さんか生きているのを実感しますよ。
が僕の周りで酵素を使ってらっちゃる方の効き目の例では
(1)肌の艶が良くなる
(2)痩せやすくなった
(3)酒が美味しくなった
(4)寒がらなくなった
(5)胃腸の調子が良くなった
という声が多いですねと答えています。
さて、別の視点から酵素と酵母の違いをお話しましょう。つまりドリンクや錠剤としての違いではなくて物質としての違いについてお話します。
酵素は化学反応を促進するタンパク質です。そのようなものを化学の言葉で触媒といいます。酵母は細菌です。
もう一つ酵母と麹も混同しやすいですね。僕もこの仕事始めるまでそうでした。
麹は黴さんです。でんぷんを糖に変える役目があります。
糖があるとそこに麹菌さんがやってきます。
麹菌さんは糖をアルコール発酵させる菌さんです。二つが相まってお酒ができるんてすね。
というわけで、酵母さんはアルコール発酵の菌さんです。そして沢山の種類があります。多くの果物の表面にいらっしゃいます。だから葡萄は皮ごと潰して混ぜているとそのうち葡萄酒ができます。旨いか不味いかはさておきできます。お米やお芋はそのままでは酵母がアルルコールにできません。麹黴がでんぷんを糖に変えると酵母がアルコールにしてくれるというわけです。だから焼酎や日本酒を作るときはまず麹で仕込むのです。
パンを作るときに酵母(イースト菌)を使いますが、あれはパンに含ませる蜂蜜や砂糖などをアルコール発酵させて膨らませるためです。出て来たアルコールは蒸発してしまうのでお酒にならずにパンが焼けます。
酵母はアルコール発酵の菌さんということを押えてください。
さて触媒といは何かというと、化学反応を媒介するものです。例えば動物や植物は呼吸をしますね。呼吸とは大まかに言うと、糖と酸素ら結合させて二酸化炭素をつくる過程でエネルギーを取りだすことです。糖と酸素を結合させる過程でエネルギーを取りだす簡単な方法は火をつけることです。火をつけてやると糖は激しく酸素と結合しながら熱エネルギーを放出します。これは燃焼という化学反応です。
しかし、体のなかで火を使うわけにはいきません。火を使わないで違う化学反応でもって糖と酸素を結合してエネルギーを抽出するのです。火の無いところに煙は立たないといいますが、化学反応には何かしら火のような反応を媒介するものが必要です。体の中では火の代わりになるものとして酵素があるのです。
体の酵素化学反応毎に一つ割り当てられています。一つの酵素は一種類の化学反応しか媒介しません。アルコールを分解する酵素は糖を酸素と反応させることはできません。もちろん逆もできません。酵素は体の全て化学反応を媒介しています。それだけ沢山の種類があります。これが一つないだけでも体にとっては不都合です。酵素は生物にとってなくてはならないものなのです。
酵母がアルコールを作るのも酵母の中で酵素が化学反応を媒介しているからです。酵母も生き物です。生き物の中てはいつも酵素が働いています。そういった意味では酵母を食べても酵素を食べていることになりますね。